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トップページ > 地域情報紙 > トップインタビュー(vol.98)
今月のトップインタビュー

  小6お笑い狂詩曲(ラプソディー)

 FacetoFace98top1 お笑い芸人 クレオパトラ

 長谷川 優貴 × 桑原 尚希


 この年末や正月も、テレビの中では数多くのお笑い芸人達が、笑いとにぎわいを絶え間なく提供し続けていた。今やアイドルグループとお笑い芸人を見ない日はなく、ある意味、一般市民が最も身近に感じている職業ともいえる。とはいえ、テレビやインターネットの世界と離れた生身としてのお笑い芸人の実像について、我々はその多くを知らない。目立ちたくて羽目を外すお調子者や、的確なツッコミでその場の笑いを独占するクラスの人気者。どこの学校にも必ずいる、そんな子ども達のごく一部が、やがて職業としてのお笑い芸人を本気で目指し、決して平たんではない道のりを歩み始めるのだろう。今回登場するのはまさにその道を選んだお笑い芸人コンビ、『クレオパトラ』の長谷川優貴さんと桑原尚希さんだ。まるで消費材のように流行(はや)り廃(すた)りの激しい業界においては珍しく、クレオパトラは観客を間近にした劇場での、じっくりと作り込んだ、芝居がかった笑いを得意としている。富士市・伝法小学校の教室から始まった物語は、いまだ道半ば。人を笑わせること、楽しませることに対してどこまでも真面目な若者の、率直な思いを聞いた。





 まさか僕達が芸人になるなんて



 お二人は小学校からの幼馴染みだそうですね。


長谷川 「6年生の時、同じクラスになったのが出会いです。二人とも特に目立つ存在ではなかったんですけど、ある日僕と仲のいいグループの会話に桑原が入ってきて、最初は『なんだこいつ、調子のいいやつだな』って思いました。」

桑原
「僕は最初から長谷川のことを面白いやつだなって思いましたね。確かに僕は小さい頃からお調子者で、誰にでも気軽に話し掛けるタイプでした。テレビで観たギャグを大人や女子の前でやって、それなりに笑わせてはいたんですけど、男子特有の笑いのツボってあるじゃないですか。長谷川に出会って、『うわぁ、今までの俺、全然面白くなかったわ』って思うようになって、すぐに路線変更しました。」

長谷川
「そんなの急にできんのかよ(笑)」

桑原
女子の目線は気にせず、どれだけ男にウケるかということを考えるようになりました。でも当時は漫才やネタというものが何なのかも知りませんでしたし、まして将来お笑い芸人になるなんて想像もしていませんでした。」

長谷川
「でも桑原はなぜかその頃けっこうモテて、バレンタインのチョコとかももらってたんですよ。特にスポーツができるとか顔がいいとか、そんなの全然ないのに。」

桑原
全然ないとか言い切るなよ(笑)」

長谷川
僕はずっと漫画家になりたかったんです。でも不思議なことに小学校の卒業文集には『尊敬する人は(ダウンタウンの)松本人志さん』って書いてあるんですよね。芸人になりたいっていう明確なものはなかったんですけど、どこかで憧れてたのかもしれません。」

桑原
ウケると思ってボケたんじゃないの?」

長谷川
いやいや、それはお前だろ。こいつが文集に書いた尊敬する人、ウォーリーですよ。『ウォーリーをさがせ!』でいつも人ごみに隠れてるやつ。本気で目指してたらヤバい人だろ。」

桑原
あれは完全にウケ狙い(笑)」


長谷川
でも今にして思うと、作文を書くにしても、必ずオチをつけたストーリーを考えていましたね。例えばマラソン大会のことを書くと、ただキツかったとかじゃなくて、『一緒に走ろうと約束したはずの友達が僕を置き去りにしてどんどん離れていく。僕は決してあいつを許さないだろう…』みたいな。その感覚はきっと今の仕事にもつながっていて、お笑いのネタや芝居の脚本を書く時のベースになっていると思います。」



 実際にお笑い芸人になるまでの経緯は?


桑原高校卒業後に二人で上京して、NSCという吉本興業のお笑い芸人の養成所に入りました。中学以降は同じクラスになることもなかったんですけど、部活が 一 緒で毎日顔を合わせるので、ネタを作ってみんなの前で見せたり、高校時代も同じファミレスでアルバイトをしていて、そのうちなんとなく『コンビ組んで東京に行く?』みたいな感じになったんです。」

長谷川
桑原がある日突然家に来て、『俺、進路相談の面接で芸人になるって伝えてきたから』って真面目な顔で言ってきたんですよ。僕は桑原が声を掛けてくるのを待っていた部分もあったので、『じゃあ、やるか!』という感じで。」

桑原
担任の先生には絶対にやめとけって言われましたけどね。実際、養成所には500人くらい入学したんですけど、9月には100人くらいになっていました。1年間で卒業なんですが、そこを出たからといって仕事がもらえるわけでもなく、しばらくはアルバイトをしながらネタを作って、ランキング制のお笑いライブに出て勝ち上がれば、よしもとの劇場に出ることができるという感じです。といっても、劇場に出てもギャラはほとんど出ないということもありますけど。」



 やはり厳しい世界なんですね。お笑い芸人を続けていくことに不安はありませんでしたか?


桑原最初の頃は先のことを何も考えてなくて、ただ東京に住んで、面白い芸人達に囲まれて過ごす時間が楽しかったですね。自分達も何か面白いことをやってやろうということばかり考えてました。ただその後『M-1グランプリ』などのお笑いコンテストが始まって、自信のあるネタをやっても1回戦2回戦で落選するということが続くと、さすがにヘコみました。」

長谷川
そこでかなり悩んで、売れている先輩芸人なんかに聞くと、自分がなりたい姿とかやりたい仕事をイメージして、それに向けて何をすればいいかをしっかり考えながら動いているんです。そのことに気付いて、例えば単独ライブをやりたいならどんな準備をすればいいとか、大事な舞台ではリスクの高い新ネタではなく確実にウケるネタを出そうとか、自分達を客観的に見た売り込み方を意識するようになってからは、だんだん良くなっていきました。そして13年間やってきて分かったのは、僕達はコンテストに出て勝ち進むことよりも、自分達の手で一から作り上げるイベントや芝居でお客さんを楽しませることの方が長けているということです。賞レースで結果を出してないので負け惜しみに聞こえるかもしれませんし、最近の芸人の中では珍しい考え方だと思いますけど。」

桑原
幸いにも僕達が企画・開催した舞台に足を運んでくれる人、楽しんでくれる人がいることをこれまでの経験で実感できているので、その点は自信を持っています。やっぱり生の劇場で単独公演をやり遂げた時の達成感は最高で、来てくれたお客さんの顔を見ながら送り出す時は、この仕事で一番やりがいを感じます。」



 なんでもできるのが、お笑い



 クレオパトラのネタを観るには?


長谷川東京での活動が中心なので、地元の皆さんに生で観てもらう機会は多くないんですけど、最近では吉原商店街のイベントでネタをやらせてもらいました。3月には東京の池袋で単独ライブをやる予定です。インターネットではユーチューブチャンネルを開設しているので、そこからネタを観ることもできます。あと、FM局のラジオエフで月に一回、MCとして番組を担当しています。生まれ育った地元で、トークも自由にやらせてもらっているので、すごく楽しいです。遠方のファンの人が放送後に会いに来てくれたり、『富士でつけナポリタンを食べたよ!』みたいに、後で報告してくれるのも嬉しいですね。食べ物といえば、いつか静岡ローカルのテレビ番組でグルメレポーターをやるのも夢なんですよ。レポートとかロケはけっこう得意なんで。」

桑原
こいつの場合、美味いものが食べたいだけっていう説もありますけどね(笑)。」



 ネタや脚本はどのようにして作っているのですか?


長谷川コンビ芸人の場合、ネタ作りの役割分担が決まっていることが多いんですけど、僕は漫画、桑原は小説を昔から書いていて、二人ともネタを作れるタイプなので、作品によってはどちらかが全部書くこともありますし、ひとつのテーマで二人が別々に書いたものを組み合わせるということもあります。基本的に始まりと終わりはカチッと決めておくんですけど、中身については幼馴染みのノリでふざけたり脱線したりもして。そのちぐはぐな感じも面白いのかなと思っています。」

桑原
最近はお客さんの目も肥えていて、芸人のネタもどんどん複雑になってきているというのはありますね。僕達が上京する前は静岡で生のお笑いなんてほとんど観られませんでしたけど、今はインターネットも含めていろんなところで観ることができますから。そのせいか、芸歴1年目の若手でも技術的にめちゃくちゃ上手い子もいます。でもその分、みんな型にはまっているというか、個性的で突発的なネタをやる芸人は出てこなくなったという気もしますね。」



 そんな中、吉本興業から独立して、今年からフリーとして活動するそうですね。今後の予定や方向性について教えてください。



長谷川正直なところ、芸能事務所に所属するといろんな制約もあるんです。今僕達が力を入れているのは、舞台上にセットを置かず、同じ服装のままで一人何役もこなす二人芝居です。芝居の大きな流れの中で随所にお笑いを盛り込んでいくのが自分達の得意なスタイルなので、これをもっといろんな地域、大きな会場でやっていきたいです。また去年は横浜市開港記念会館という、歴史的建造物を使った観客参加型の謎解き芝居というのをやって、すごく好評でした。最初に舞台上で事件が起きて、その後会場内のいろんな場所で同時多発的にストーリーが展開していくのを、400人のお客さんが自由に移動しながら情報を集めて推理するというものです。そこに僕達を含めた複数の芸人が絡むことでお笑いの要素を加えていくんですが、おそらく日本初のエンターテイメントです。この手法を使うことで、例えば温泉旅館や商店街など、いろんな場所を舞台にした面白いイベントにできると思うので、今後広めていけたらと考えています。」

桑原
今までにないものをやろうという意識はないんですけど、二人芝居にせよ参加型イベントにせよ、自分達が本当に面白い、やりたいと思ったことを追求していくと、案外まだ他に誰もやっていなかったということはあります。僕達はあくまでもお笑いを軸としてやっているので、お笑いだと言い切ってしまえば何でもお笑いにできるし、歌手や俳優と比べてみても、やっぱりお笑い芸人が一番自由で楽しめる表現者なのかなと思います。僕達はある意味、小学6年生のまま大人になっちゃったんですけど、これからも自信を持ってこの道を進んでいきたいですね。 あ、それと最後に一言いいですか? 皆さん、仕事のオファー待ってます!





FacetoFace98top3 長谷川 優貴(はせがわ・ゆうき)

1982年6月16日生まれ(32歳)
ボケ担当。絵や漫画を描くことが得意。
妖怪に詳しい。


 FacetoFace98top4 桑原 尚希(くわはら・なおき)

1982年7月16日生まれ(32歳)
ツッコミ担当。TVゲームに詳しい。
「おつカマキリ」という一発芸を持つ。
(表紙の写真参照)




 FacetoFace98top2  クレオパトラ
富士市出身のお笑い芸人コンビ。伝法小学校6年生の時に同じクラスになったことがきっかけで知り合った二人が2001年に吉本総合芸能学院(通称NSC「New Star Creation」)東京校に7期生として入学。翌年デビューを果たし、現在に至る。仕事の依頼などはメールにて。
 → clepatworks@gmail.com


【主な舞台・ライブ】
・第8回単独公演『メルヘンパラソル夕日論』
 (2013年10月・ルミネtheよしもと)
・クレオパトラ二人芝居公演『善ト悪』『悪ト善』
 (2014年1月・下北空間リバティ)
・参加型お笑い推理芝居『仮面Xの悲劇』
 (2014年5月・横浜市開港記念会館)
・第9回単独公演『ワンダーネバーワールド』
 (2014年10月・銀座博品館劇場)

【テレビ】
・オンバト+(NHK総合) 戦績4勝2敗 最高513KB
・ミニ四駆選手権2013 (テレビ東京・桑原のみ)
・クイズ100人力 ~妖怪決戦~ (NHK総合・長谷川のみ)

【その他】
・Radio-f『富士の茶娘 ハッピーちゃむちゃむ』MC
 毎週第2土曜12:40~14:00 FM84.4MHz
 (富士・富士宮エリア)
・『吉原まるごとフェスタ』ステージイベント
 (2014年11月・富士市吉原商店街)


●ウェブサイトでは最新の公演情報やネタを観ることができます!

クレオパトラ公式Facebookページ
  https://www.facebook.com/clepathandk?fref=nf

YouTube 「クレパトチャンネル」
  https://www.youtube.com/channel/UCc04F4hWxN_rYiCaJo7-eGA



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富士市役所近くで長谷川さんのお母様が営む喫茶店『Cafe & Galleryくれぱと』。店名はもちろんクレオパトラの略。こちらではクレオパトラの公演情報や裏話が聞けるとあって、ファンの間でも密かなブームになっているらしい
  Cafe & Galleryくれぱと
富士市依田原新田104-10
TEL:0545-57-2686
営業時間:8:00~14:00 / 17:00~22:00
定休日:毎月第2土曜

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二人芝居・単独公演の様子。極めてシンプルな衣装とセットだけに、芸のクオリティが求められる。


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横浜市開港記念会館の参加型芝居では観客が自由に移動しながらお笑いを楽しんだ。


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『つけナポリタン親善大使』としても、地元・富士市を盛り上げている二人。


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Radio-f『富士の茶娘 ハッピーちゃむちゃむ』生放送の様子。軽妙なトークが若者を中心に人気の番組。

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